Nusantara Beat:印尼=オランダ血統が生むアムステルダム発サイケデリック・サウンド

オランダ・アムステルダムを拠点とするサイケデリック・バンドNusantara Beatは、メンバー全員がインドネシア系というルーツを持つ。1人は西ジャワ出身で、他のメンバーはオランダ=インドネシア・コミュニティの2世・3世にあたる。インドネシアの伝統的なリズムと、オランダ土着のNederbeatガレージ・ロック/サイケデリック・ロックを一つの語彙として融合させたバンドは、2025年11月にドイツのレーベルGlitterbeatから同名デビュー・アルバムを発表。英国の音楽メディアFar Out Magazineが特集記事でこのバンドを取り上げ、英国のGreen Man Festivalでのライブについても記している。
二つのルーツが生むサウンドの源流
アムステルダムはサイケデリック・バンドにとって馴染みのある土壌だ。1960年代、この街は欧州大陸のヒッピー・ムーブメントの重要拠点の一つだった。出身はハーグながら長くアムステルダムで活動したShocking Blueや、まさにこの街を拠点としたガレージ・ロックの先駆者The Outsidersなどがその歴史を物語る。Nederbeatの余韻は今もオランダのロック・アンダーグラウンド・シーンに残っている。
しかしNederbeatはNusantara Beatのサウンドの半分に過ぎない。インドネシア諸島自体、非常に多様な音楽系譜を持つ――先住民族の吟唱的な伝統民謡、Koes Plusに代表されるインドポップの遺産、マラン(Malang)のskaサブカルチャー、そして近年のThee Marloesまで。バンドはこうした文脈から素材を汲み取り、伝統リズムとサイケデリックなギターを一曲の中で共存させている。
これまでの音源
バンドの同名デビュー・アルバムは、ドイツのレーベルGlitterbeatから2025年11月にリリースされた。それ以前には、スイスのレーベルLes Disques Bongo Joeを通じて複数の7インチ・シングルも発表している。この2つの音源群が、バンドのサウンドの輪郭を掴む入口となる。
ライブでの評価
Far Out Magazineは、Nusantara Beatの真骨頂はライブにあると指摘する。バンドは近年英国を訪れ、そのうちの1公演がGreen Man Festivalだった。記事の筆者は、そのパフォーマンスの完成度の高さを称賛しつつ、リフやビートの一つひとつが精密に演奏されながらも、ライブならではの即興性が損なわれていないと評している。
サーフ・ロック的な質感を持つギタリストJordy Sangerの演奏がバンドの推進力の中心であり、ボーカリストMegan de Klerkの浮遊感のある歌声が、観客をバンドの構築するサイケデリックな世界へと誘い込む。同記事は、同質的なバンドが多いライブ・シーンの中で、Nusantara Beatに直接比較できる存在は見当たらないと結んでいる。
まだわかっていないこと
- 日本での公演予定:発表なし
- アジア地域でのツアー予定:発表なし
- デビュー・アルバムの日本での流通形態:発表なし