Radiohead を2度救った一曲——Thom Yorkeが崩れ落ちた夜の記録

英音楽メディアFar Out Magazineが、Radioheadの名曲〈Everything In Its Right Place〉が生まれた経緯を改めて特集した。きっかけは1997年11月19日、バーミンガムのNEC Arenaでの公演。『OK Computer』のヒットでバンドの人気が絶頂に達していた時期、ボーカルのThom Yorkeはステージを降りた後、楽屋で積み重なった疲労と倦怠感に完全に打ちのめされたという。報道によれば、この曲はその後1997年と2000年の2つの局面でバンドを救うことになった。
バーミンガムの楽屋からグロスターシャーの邸宅スタジオへ
『OK Computer』は、自分たちを「アウトサイダー」だと考えていたメンバーたちを、世界的な注目を浴びるバンドへと押し上げた。Yorkeも1990年代的なロックボーカリストの典型的な立場に押し込まれることになった。バーミンガム公演後、彼はそのプレッシャーを創作の素材に変え、帰宅後ピアノで〈Everything In Its Right Place〉を書き上げ、バンドの長年の相棒であるプロデューサーNigel Godrichに託して発展させた。
バンドはその後、グロスターシャーの邸宅Batsford Parkに籠って録音を進めたが、様々な実験的アイデアの中で行き詰まっていた。YorkeとGodrichの2人はまずこの曲を完成させ、その時期に最初に形になった作品として、2000年発表の『Kid A』の方向性を決定づけることになった。
Ed O'Brien「あれは最初に出来上がったものだった」
ギタリストのEd O'Brienは、当時バンドは田舎の邸宅にすでに6ヶ月こもって作業をしており、それまでのすべてを瓦礫と灰に還してゼロからやり直すような状態だったと振り返る。〈Everything In Its Right Place〉は、その廃墟の中から最初に芽吹いたものだったという。O'Brienによれば、この曲の録音には関わっておらず、出来上がった音を聴いたときの反応は「Well, that's beautiful(本当に美しい)」だったと語っている。
Far Out Magazineのまとめによれば、この曲はまず1997年に崩壊寸前だったYorkeを支え、その後2000年、新作の本格的な録音にあたってバンド全体が創作の行き詰まりに陥っていた際にも再び機能し、Radioheadが『OK Computer』から次の段階へと移行する上での重要な転換点になったという。