『サイレントヒル』作曲家Akira Yamaoka「求めたのは恐怖ではなく、心理的な不安だった」

作曲家Akira YamaokaがNMEのインタビューに応じ、1999年の心理ホラーゲーム『Silent Hill(サイレントヒル)』のサウンドトラック制作の狙いを振り返った。同氏は当時の目標が単純な驚かしではなく、「心理的な不安――何が間違っているのか具体的には分からなくても、何かがおかしいと感じさせること」だったと語っている。このインタビューは2026年7月28日にNMEに掲載された。
あえて選んだ非伝統的なサウンド言語
同時期のホラーゲーム、例えば『バイオハザード2』や『ディノクライシス』の多くは、緊迫感のある逃走曲やジャンプスケアを強調する衝撃的な効果音に頼っていた。一方Yamaokaはインダストリアルロック、アンビエントミュージック、映画的なサウンドデザインを大胆に取り入れ、ノイズやラジオの雑音、正体不明の機械音、断片的な音色をサウンドトラックに織り込んだ。時にそれはほとんど「音楽」に聞こえないほどだったという。「奇をてらいたかったわけではない」とYamaokaは語る。「ただ、それがサイレントヒルにふさわしいやり方だと思っただけだ」。
『Silent Hill』に携わる以前、Yamaokaはコナミ(Konami)で『魂斗羅ハードコア』や『スパークスター』、さらに小島秀夫(Hideo Kojima)氏が手がけた『スナッチャー』の音楽制作に関わっていた。彼が自ら志願して『Silent Hill』の作曲を担当したのは、このゲームが求める心理的な深みを表現できるのは自分しかいないと考えたからだという。「恐怖とは単に見せるものではなく、感じさせるものだ」と説明している。
シリーズの個性を決定づけた選択
初代『Silent Hill』は最終的に200万本以上を売り上げ、2000年代のホラーゲームを代表するタイトルとしての地位を築いた。Yamaokaはシリーズのほぼ全作品の音楽を手がけ、実写映画版3作の音楽制作にも携わっている。当時の選択を振り返り、彼はこう語る。「型破りなアイデアを信じられたこと――それこそが、このシリーズが独自のアイデンティティを確立できた理由だと思う」。
インダストリアルサウンドが現代のホラーゲームに与えた影響
NMEの報道によれば、『Silent Hill』が示したダイナミックなサウンドトラックという概念は、現代のゲーム音楽にも影響を与え続けている。『デス・ストランディング2』ではプロシージャル生成された楽曲がゲーム画面にリアルタイムで反応し、『Clair Obscur: Expedition 33』のオーケストラスコアも物語の感情の起伏に緊密に連動している。インダストリアルミュージックは今や現代のホラーゲームの定番要素となっているが、Yamaokaはそれが形骸化することを懸念していない。「オリジナリティは特定のジャンルから生まれるのではなく、その背後にある視点から生まれる」と彼は語った。