新譜発売日は要注意?ハーバード大研究、米国の交通死亡事故が15.1%増と発表

ハーバード大学医学部(Harvard Medical School)の研究者Vishal Patel氏らのチームが、学術誌『JAMA Network Open』に発表した研究によると、大型アルバムの発売日には米国の致死的な交通事故件数が平日と比べて15.1%増加するという。研究は2017年から2022年にかけての10件の主要アルバム発売日を対象に行われ、Taylor Swiftの『Midnights』、Harry Stylesの『Harry's House』(いずれも2022年)、Drakeの『Scorpion』(2018年)などが含まれている。この研究は英『The Guardian』が報じ、Far Out Magazineがまとめている。
研究データの概要
- サンプル:2017〜2022年の大型アルバム発売日10件
- 致死的な交通事故:平日と比べ15.1%増加
- 同日のSpotify全米トップ200楽曲のストリーミング再生数:43%増加
- 対象アルバム:『Midnights』(Taylor Swift)、『Harry's House』(Harry Styles)、『Scorpion』(Drake)など
- 掲載誌:『JAMA Network Open』
なぜアルバム発売日を選んだのか
Patel氏は論文の中で、アルバム発売日を研究対象に選んだ理由を説明している。こうした日には全米でスマートフォンの使用量が同時に跳ね上がるが、その要因は道路状況や天候、ドライバーの層といった通常の変数とは無関係であるため、一種の「自然実験」に近い状況が生まれるという。ただし、事故発生時に車内で実際に音楽が流れていたかどうかまでは確認できないとも強調しており、確立できるのは「全国的な音楽利用の強度」がこれらの日に平日と異なっていたという前提のみだとしている。
研究チームによる仮説
研究チームは2つの仮説を提示している。1つ目は、新曲はリスナーにとって未知の素材であり、聴き慣れた曲よりも多くの注意力を要するというもの。2つ目は、発売されたばかりのアルバムをストリーミングサービスで探す操作は、既存の再生リストを流すよりも時間がかかり、その分ドライバーの視線が道路から離れる時間も長くなるというものだ。研究チームは、スマートフォンを介した音楽ストリーミングが、注意散漫運転や交通死亡事故の要因の一つになり得ると結論づけている。
注目すべきは、事故増加のほとんどが単独運転のドライバーに集中していた点だ。Patel氏はアドバイスとして、運転前にあらかじめアルバムを選んでおいて再生し、その後はスマートフォンを手放すこと、同乗者がいる場合は操作を任せることを挙げている。