米連邦地裁、Dolly Partonを引いてテキサス州の「ドラァグ禁止法」を再び無効に

米連邦地方裁判所のDavid Hittner判事が、テキサス州の「Senate Bill 12」、いわゆる「ドラァグ禁止法」を再び違憲と判断した。NMEの報道によると、Hittner判事は判決理由の中でカントリー界の大御所Dolly Partonの姿を例に挙げ、この法律が定める表現内容の判断基準は曖昧すぎ、表現の自由を侵害する恐れがあると指摘している。Partonは8月25日に80歳で亡くなった。
判決の内容
Senate Bill 12は2023年に成立した法律で、公共の場や未成年者がいる可能性のある場所での「性的指向を持つパフォーマンス」を禁止するというもの。法文自体はドラァグパフォーマンスを明示的には指していないが、テキサス州知事のGreg Abbottはこれを「ドラァグ禁止法」と呼んでいた。違反した会場には最高1万ドルの罰金が科され、出演者は軽犯罪で起訴される可能性もある。
この法律は2023年にもHittner判事によって違憲判決を受けたが、その後州側が上訴し、今年3月に一時的に施行された。今回の判決の要点は、法律が定める「性的な興味の対象となる」という表現の定義があいまいすぎるという点だ。判事は、Partonが長年「大きく盛った髪型、派手な衣装、体型の強調」によってセックスシンボルとして見られてきたことを例に挙げ、「数え切れないほどの人気パフォーマンス」には情欲的な要素が存在すると指摘。この法律に従えば、たった一瞬の情欲的な表現があるだけでパフォーマンス全体が有罪となりかねないと述べた。
テキサス州司法長官のKen Paxtonは、この判決に対してさらに上訴する見通しだという。
Parton逝去への各界の反応
Partonは8月25日、癌のため亡くなった。家族によると、最愛の人々に見守られながら息を引き取ったという。Elton John、Paul McCartney、Taylor Swift、Mick Jagger、Debbie Harry、Eminem、そして名付け子でもあるMiley Cyrusらが公にコメントを発表し、哀悼の意を示した。米大統領のDonald Trumpは1週間の半旗掲揚を命じた。
音楽界では追悼のパフォーマンスも相次いだ。Jack Whiteはロンドンで〈Jolene〉を演奏し、英王室近衛楽団はバッキンガム宮殿で〈9 To 5〉を演奏。Orville Peckは〈I Will Always Love You〉をカバーした。