Angine De Poitrine、Khn語る「楽理を知らないなら猿になれ」

ケベック州出身の覆面デュオAngine De PoitrineのメンバーKhnが『Guitar World』のインタビューで、音楽家は楽理や専門用語を避けるべきではないと主張し、「知識が創造性を損なう」という考え方に反論した。同バンドはKhnと打楽器奏者Klek De Poitrineの2人組で、白黒の水玉模様の衣装と巨大な張り子のお面をかぶり、複雑な構成のマイクロトーナル・ロックを演奏することで知られる。
「さもなくば猿になれ」Khnが語る楽理と専門用語
ステージ上で演奏する際に音階を意識しているかと問われたKhnは、自分は常に音階、あるいは「文脈の中の音程」で考えていると答えた。ただしそれは意識の中に無害な情報として存在しているだけだという。多くの人はそれを聞くと、音楽家が無表情のまま機械的に「次はこの音を弾く」と判断しているようなイメージを抱いてしまう、とKhnは説明する。
「音楽家の間でさえ、知識が創造性を損なうという神話が存在する」とKhnは語る。彼は「常に音階で考えている」という発言が、すべての選択が既定のルールに支配されていることを意味するわけではなく、また無菌状態の自覚だけでこれらの道具を使って創作しているわけでもないと強調した。
さらにKhnは、専門用語は自分にとって重要だと述べる。会話の中で誰かが用語を間違えて使うと極度にイライラするが、それを他人にぶつけないよう意識的に抑えているという。彼の理由はこうだ。ハーモニーとリズムの文脈の中でコード、音程、メロディを演奏するとき、そこで起きているすべての要素には名前が付いている。
「専門用語こそ我々の人間性における唯一の希望だ(Terminology is our only hope)」と彼は言う。専門用語がなければ残るのは混乱だけであり、最後にこう締めくくった。「さもなくば猿になれ(Or be a monkey)」。
2026年、最も意外なブレイク
Angine De Poitraineは2026年、最も予想外のブレイクを果たしたアーティストの一組だ。2月に放送されたKEXPでのセッション映像がネット上で拡散し、4月にはセカンドアルバム『Vol. II』をリリース。Foo FightersのフロントマンDave Grohlも今年、このデュオについて「自分の目を開かされた」「完全に狂っている」と公の場で絶賛した。
5月には、NME主催のThe Great Escapeのオープニング・ビーチパーティーでトリを務め、そのパフォーマンスは「馬鹿げているが目が離せないスペクタクル」と評された。またBillboard CanadaのGlobal Breakthrough Award授賞式では終始無言のまま賞を受け取り、モントリオール・ジャズ・フェスティバルでは同フェスティバル史上最大級の観客動員を記録したという。
今後の予定
- 現在進行中:北米ツアー
- 今年後半:イギリスでの単独ツアー(日程・チケット情報は主催者発表待ち)