The Jesus and Mary Chainのウィリアム・リード「エディ・ヴァン・ヘイレンが80年代のロックギターを台無しにした」

スコットランド出身のインディーロックバンドThe Jesus and Mary Chainのギタリスト、William Reid(ウィリアム・リード)が、音楽メディアStereogumのインタビューでshoegaze(シューゲイザー)のギター美学について語る中、Eddie Van Halen(エディ・ヴァン・ヘイレン)を名指しで批判した。ヴァン・ヘイレンの演奏スタイルが「80年代から90年代のロックギターを台無しにした」と直言し、その発言はFar Out Magazineの報道によればロックファンの間で大きな議論を呼んでいるという。
ウィリアム・リードが語った「テクニック至上主義」への批判
ウィリアムはStereogumに対しこう語った。「僕が思うに、世界最悪のギタリストはエディ・ヴァン・ヘイレンだ。彼は80年代、90年代のロックギターを丸ごと台無しにした。あまりに多くの人間が彼を真似しようとしたからだ——とにかく速く弾いて、1秒間にできるだけ多くの音を詰め込もうとする」。この発言は、hair metal(ヘアメタル)時代を特徴づけたテクニック偏重の風潮を明確に標的にしたものであり、The Jesus and Mary Chainが長年貫いてきたミニマルでノイジーな美学とは対照的だ。
The Jesus and Mary Chainのルーツ
The Jesus and Mary Chainは、スコットランドのEast Kilbride出身の兄弟、JimとWilliam Reidによって結成された。その音楽的ルーツはThe Velvet Underground、The Shangri-Las、The Monkeesといったメロディックなポップスにあり、そこに分厚いファズとフィードバックを重ねるスタイルを確立。1985年にはBlanco y Negro Recordsからデビューアルバム『Psychocandy』をリリースしている。こうした意図的に粗く、技巧を抑えたギターへのこだわりが、MTV時代を席巻したヘアメタルの技巧偏重スタイルとの隔たりを生んだ。
対極の理想として挙げたピーター・フック
ヴァン・ヘイレンを批判する一方で、ウィリアムは自身が理想とするミュージシャン像も語っている。それがJoy Divisionのベーシスト、Peter Hook(ピーター・フック)だ。彼のベースリフは「エディ・ヴァン・ヘイレンが思いつくどんなものよりも千倍優れている」と評し、速さや技術の積み重ねよりも、メロディー性や感情表現を重視する姿勢を強調した。
ヴァン・ヘイレンが遺した影響
実際、ヴァン・ヘイレンとエディのタッピング奏法は、Ratt、Poison、Dokkenといった80年代ヘアメタルバンドのギター表現に大きな影響を与えた。The Jesus and Mary Chainの今回の発言は、post-punkやshoegazeの系譜に連なるアーティストたちが、この時代の主流ロック美学に対して長らく抱いてきた違和感を代弁するものと見ることができる。