アルゼンチンの新星Trueno、Gorillazのトッテナムスタジアムでサポートアクトーータンゴとクンビアを融合した新作『Turr4zo』

アルゼンチンのラッパーTrueno(本名Mateo Palacios Corazzina)が、NMEのインタビューでロンドンにあるGorillazのTottenham Stadium公演にサポートアクトとして出演した経緯を語った。約6万人の観客を前に、スペイン語のまま新作『Turr4zo』収録曲を初めてライブで披露したという。24歳の彼はブエノスアイレスの労働者階級が暮らす街区La Bocaの出身で、父親であるMC Pedro Peligrosoの影響でフリースタイルラップの世界に幼い頃から親しんできた。
『Turr4zo』——アルゼンチンのルーツをサンプリングする実験
4作目となる『Turr4zo』は、Rosalía、Camila Cabello、Amaaraeらの作品を手がけてきたスペイン人プロデューサーEl Guinchoとの共同制作で、アルゼンチン本来のサウンドへと大きく舵を切った作品だ。〈X Unas Llantas〉はタンゴの偶像的存在Carlos Gardelをサンプリングし、表題曲〈Turrazo〉はクンビアグループLos Wachiturrosを、〈Con El Combo〉は1970年代の歌手Sandroのストリングスを核に据えている。Truenoは、El Guinchoが「美しく綺麗な曲を“汚し”、そこにヒップホップのビートを乗せた」ことが、二人の制作方向を確信した瞬間だったと振り返っている。
最新シングル〈Pumas〉ではアルゼンチンの民謡リズム、チャカレーラを取り入れ、19歳の新世代歌手Milo Jをフィーチャリングに迎えた。これはBad Bunnyが『DTMF』でレゲトンを通じてプエルトリコのルーツを取り戻したのと似た文脈にあるとTruenoは語る。彼はインタビューの中で、ラテンアメリカの「アーバンミュージック」がこれまで長らくアメリカ発のヒップホップの定義に依存してきたが、今こそ各国が自らのルーツに根ざしたアイデンティティを取り戻し始めていると指摘している。
政治的な歌詞とGorillazのステージ
〈F*ck El Police〉(NWAの〈Fuck the Police〉をインタポレート)や〈RGL〉(Eveの〈Blow Ya Mind〉をインタポレート)といった初期作品によって、Truenoはアルゼンチン国内で政治的批評性のある表現者としての評価をすでに確立していた。歌詞では警察による暴力や、マルビナス(フォークランド)紛争の歴史的な傷にも触れてきた。今回のTottenham Stadium公演は彼のキャリア史上最大規模のステージであり、GorillazのDamon Albarnから与えられたこの出演機会によって、英語圏のオーディエンスに『Turr4zo』を正式に紹介することができたという。
NMEによるインタビュー全文はNME公式サイトで読むことができる。