Fontaines D.C.発掘秘話、John Robbが回顧録で告白 未発表曲2曲の存在も明らかに

音楽ジャーナリスト・作家であり、バンドThe Membranesのフロントマンでもあるジョン・ロブ(John Robb)が、新著『Punk Rock Ruined My Life』の中で、Fontaines D.C.がまだ無名だった頃に彼らの録音を初めて聴いた経緯を詳細に綴っている。同書からの抜粋とインタビューは、NMEが2026年7月31日に掲載した。
ダブリンBIMMでの出会いと、幻に終わったデビュー曲
ロブは当時、ダブリンの音楽学校BIMMで講師として招かれ、1対1・90分のメンタリング講座を担当していた。ある授業で、フロントマンのグリアン・チャッテン(Grian Chatten)が――バンドはまだ「the Fontaines」と名乗っていた頃で、ダブリン・シティを意味する「D.C.」が加わるのは1年後のことになる――デモテープを持参し、3曲を聴かせた。
ロブによれば、そのテープは緊張感あふれるパンクロックの色合いを持ちながら、ポストパンク的な質感とわずかなバディ・ホリーの影響も感じさせるものだったという。ロブはその場で、収録曲の1つを自身のレーベルLouder Than Warからシングルとして発表することを決め、Workman's Clubでの公演でThe Membranesの前座としてFontainesを初めて公の場に出す計画まで立てていた。
しかしその後バンドはPartisan Recordsと契約。ロブは約束通り発売計画を取り下げた。彼はNMEに対し、当該の録音は今後も公開されることはないと語っている。「しない。それはフェアじゃないからね。彼らが契約したとき、僕はもう出さないと伝えたんだ」
未発表曲2曲の中身
ロブはインタビューの中で、2曲について具体的に語っている。1つは〈Liberty Belle〉のより初期のバージョンで、音はさらに粗く、パンク色が濃く、「興奮に満ちていた」という。もう1つは〈Rubies〉で、ロブは「Ramones的な勢いを持つパンクの疾走」と表現し、コアなファンの間で高い人気を誇ってきた楽曲であることも明かした。
Partisanとの契約以前、ロブはグリアン・チャッテンと長期にわたりメールでやり取りし、バンドの動向を追い続けていたという。「彼らがレコード契約を得たこと、しかもそれが彼らにとって最も完璧なレーベルだったことが、本当に嬉しかった」
ジョン・ロブとは何者か
ロブの音楽ジャーナリスト歴は、数々の「初」で知られる。史上初めてNirvanaを取材した記者であり、雑誌『Sounds』でThe Stone Rosesを発掘、The Jesus And Mary ChainやManic Street Preachersの初期にも先駆的なインタビューを行ってきた。Oasisやゴシック音楽史に関する著書もあり、音楽メディアサイトLouder Than Warの創設者でもある。『Punk Rock Ruined My Life』は彼の最新作にあたる。