借金5,000ポンドが生んだ20億回再生の名曲——Eurythmicsの〈Sweet Dreams〉誕生秘話

英国の2人組Eurythmicsが1983年に発表した〈Sweet Dreams (Are Made of This)〉の累計ストリーミング数が20億回を突破し、ポップ史上最も識別性の高い楽曲のひとつに数えられている。英音楽メディアFar Out Magazineがまとめたところによると、この曲の誕生は5,000ポンドの銀行融資、当時最新鋭だった3台の電子楽器、そしてほぼ偶然の操作ミスによって成り立っていたという。
5,000ポンドの融資と3台の機材
Annie LennoxとDave Stewartは、以前所属していたバンドを離れてEurythmicsを結成した。2人はかつて恋人関係にあり、破局後にキャリアの転機を迎えたため、当時の債務関係は気まずいものだったという。
2人はこの融資でRoland SH-101とOberheim OB-Xという2台のシンセサイザー、そしてMovement Systems Drum Computerの試作機を購入した。機材は揃ったものの、Stewartはその時点でこれらの操作方法をよく理解していなかったという。
逆再生されたベースライン
Far Out Magazineの記述によれば、ある夜、Lennoxは床にうずくまって泣きながら、自分の人生の選択を疑っていた。キャリアは行き詰まり、しかも元恋人と借金を共にしていたからだ。その一方でStewartは、ビート、リフ、シンセの音色をひたすらいじり続けていた。
そしてStewartがベースラインを逆再生にした瞬間、素材が一気に形になった。Lennoxはすぐに立ち上がり、2台目のシンセでメロディの骨格を加え、〈Sweet Dreams (Are Made of This)〉が完成した。
この曲はのちにEurythmicsを代表するシングルとなり、5,000ポンドの融資も短期間で完済されたという。