《White Pony》のジャケットはどこから来たのか?クリップアートの白い馬がDeftonesの象徴になるまで

Deftonesが2000年に発表した3rdアルバム《White Pony》のジャケット——白い馬のシルエット——は、Tシャツやキャップ、タトゥーにまで使われるロック史屈指のアイコンとなった。しかしこの図案の出発点は、ボーカルのChino Morenoがクリップアート素材集から何気なく見つけた一枚のイラストに過ぎず、しかも楽曲が1曲も書かれる前にすでに決定していたという。Far Out Magazineが2026年8月、この由来を詳しく取り上げた。
音楽より先にタイトルが決まっていた
Morenoが音楽メディアKerrang!に語ったところによると、アルバムタイトルとジャケットのコンセプトは、デンマークの2人組Laid Backによる1980年代の楽曲の一節「If you want to ride, ride the white pony」にヒントを得たものだという。これは明確なドラッグの隠語だ。Morenoはこの言葉をもとにクリップアートを検索し、馬のシルエットを見つけて即決。バンドの「顔」にすると宣言した。
Morenoは「僕らは1曲もできていない段階で、アルバムをWhite Ponyと呼ぶことを決めていた。こんなことをしたのはこの時だけだけど、それが今やこれほどアイコニックになっているなんて、本当に信じられない」と振り返っている。
制作過程:実験、緊張、そして自己証明
《White Pony》は当時のDeftonesにとって最も困難な制作となったアルバムでもある。メンバー間では創作面での意見の食い違いから軋轢が生じ、レコーディング期間中バンドの奔放な生活はさらに激しさを増した。さらにレーベルの介入によって、Moreno自身が後に「間違いだった」と語る楽曲も生まれることになった。
このレコーディングでMorenoはDeftonesの作品として初めてギターを手にした。バンドは具体的な音楽的青写真を一切持たないままスタジオ入りし、1頭の馬の図像とタイトルの隠語だけを頼りに方向性を探っていったという。ドラマーのAbe Cunninghamはこのアルバムを「当時のあらゆるものへの抵抗」だったと表現している。ちょうどnu metalのムーブメントが爆発的な盛り上がりを見せていた時期に、Deftonesはあえてその外側へと踏み出し、メタル、トリップホップ、シューゲイザーを溶け合わせる道を選んだ。
前2作《Adrenaline》(1995年)と《Around the Fur》(1997年)で、ハードロックの中に感情表現を注ぎ込む力をすでに示していたDeftones。《White Pony》はそのエネルギーを全面的に昇華させ、1枚のクリップアートに過ぎなかった白い馬のシルエットを、世代を超えて共有される象徴へと変えた。